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- 知っておきたい産後の変化 第3弾 ~母乳のはなし その1~
2024.02.01 コープあいち
赤ちゃんとの新しい⽣活をスタートするにあたって、知っておきたい産後の変化シリーズ第3弾。今回は、⾚ちゃんやママにさまざまなメリットがあるといわれている⺟乳について、グレイスベルクリニックの看護師⻑ 畑中洋⼦さんにうかがいました。
グレイスベルクリニック
名古屋市中区大須3-16-25
TEL:052-261-7777
母乳とミルクの違いは何ですか?
畑中さん
⺟乳もミルクも、⾚ちゃんの成⻑に大切な栄養があります。違いは、母乳にはミルクに含まれていない成分や生きた細胞がたくさんあることです。赤ちゃんを病気から守る免疫物質やホルモン、神経学的発達を促す成分などが含まれています。
母乳は、赤ちゃんにもママにもよい効果があります
受精してから2歳前後までの1000日の栄養が人生で一番大切だといわれていることをご存じでしょうか。赤ちゃんは、1歳になるまでに体重が3倍になり、脳は2歳までに成人の80%が形成されます。その成長著しい2年間の栄養や生活環境は、赤ちゃんの健康に大きな影響を与えます。母乳をあげることができれば、赤ちゃんは、健康増進への恩恵をたくさん受けることができます。またママにとってもよい効果があります。
赤ちゃんにとって
- 感染症の発症リスクの低下
- 乳幼児突然死症候群の発症率の低下
- 将来の糖尿病の発症リスクの低下
- 小児期の肥満の低下
- 小児白血病のリスクが減る など
ママにとって
- 子宮の戻りを促す
- 体重を早く戻す
- 月経の再開を遅らせる
- 乳がんのリスクが減る
- 貧血予防 など
※災害時は 、 赤ちゃんに安定的に栄養を届けることができ 、感染症のリスクを減らします。
災害時の赤ちゃんの
\栄養についてはこちら/
あんどうりすのゆるっとアウトドア防災
https://andorisu.jimdofree.com/
生まれたらできるだけ早くから、赤ちゃんが欲しがるときに授乳しましょう
産後すぐは、母乳の分泌が少なく、1週間ほどかけて徐々に量が増えていきます。特に初産のママは、母乳が十分に分泌されるまでに時間がかかることも。⺟乳が出なくても⾚ちゃんに吸わせましょう。 吸うという⾏為でホルモンが分泌され、乳腺機能が働いて、⺟乳の分泌が始まります。吸わせることができない場合は、母乳を搾る搾乳もおすすめ。
初乳とは、出産後2~3日の間に分泌される母乳のことです。量は少なくても初乳にはたくさんの免疫物質が含まれているので、病原体や菌に触れていない赤ちゃんにとって重要な役割を果たしています。
母乳を飲ませるときに注意することは何ですか?
ママが痛みを感じたり、飲ませているときにチュチュっと音がするのは浅い飲み方です。ポイントを押さえて授乳しましょう。
おっぱいの吸わせ方
口が大きく開き、唇が外側にめくれている
下顎がおっぱいにくっついている(埋もれるくらい)
赤ちゃんの抱き方大事なのは
赤ちゃんの
体勢!
赤ちゃんの鼻と乳頭が向かい合う位置にする
赤ちゃんの体全体がママの方を向いて、密着している
赤ちゃんの頭と体は一直線。首がねじれたり、うつむいたり、のけぞったりしない
手は赤ちゃんの頭と肩を、腕で体全体を支える
ポイントを押さえれば、
横抱きでも、たて抱きでも大丈夫
家族や周りにサポートを求めましょう
ママと赤ちゃんのことを第一に
母乳を続けたくても何らかの事情で続けられず、自分を責めてしまうママがいるかもしれません。
ママが元気に楽しく育児ができ、赤ちゃんが健康に育つことが一番大事です。
母乳もミルクも、赤ちゃんの成長に大切な栄養があり、赤ちゃんへの愛情はしっかり伝わります。他のママと比べず、自分と赤ちゃんのことを考えましょう。周りの人たちもママの気持ちに寄り添ってくださいね。
<参考文献>
1)クレア・リウェリン他著『人生で一番大切な最初の1000日の食事』,ダイヤモンド社,2019年
2)水野克己他著『母乳育児支援講座 改訂第2版』,南山堂,2020年
<参考サイト>
こども家庭庁,「授乳や離乳について」,令和元年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「『授乳・離乳の支援ガイド』の普及啓発に関する調査研究」
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/junyuu/