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- 知っておきたい産後の変化 第2弾 ~夫婦関係のすれ違いを防ぐために~ STEP2

2023.11.09 コープあいち

赤ちゃんとの新しい生活をスタートするにあたって、知っておきたい産後の変化シリーズ第2弾。
産後クライシス(=産後の夫婦のすれ違い)を防ぐためのアドバイス「STEP2」です。

2つのゲート(とびら)を開ける
東北福祉大学教授の塩野悦子さんによると、
子育て夫婦の間には「2つのゲート(とびら)」が存在し、互いにそのゲートを開け閉めしています。
2つのゲートとは、
❶ 妻の負担軽減ゲート
❷ 夫の子どもの世話ゲート
です。仲のよい夫婦でも子育てが始まると、ついつい2つのゲートを閉めてしまいがちです。
お互いにこのゲートを開くように意識することが産後クライシスの予防につながります。
❷ 夫の子どもの世話ゲート
パパが開けるとびら
「妻の負担軽減ゲート」
ママをしっかり見守る
- ・ママが大変なときに一緒に過ごす
- ・産後の女性の心身の不安定さを理解するよう努める
- ・ママを優先する
やってはいけないこと
- ママのことは実家や病院まかせ
- 自分のことを優先する

ママの話をよく聞く
- ・話に反応する(うなずく、大きく驚く)、「大変だったね」と共感する
- ・解決を急がず、聞くことに徹する(反論しない)
- ・ゆっくり話せる環境にする(テレビを消すなど)
- ※赤ちゃんと二人だけでいることがストレスになる場合があります
やってはいけないこと
- 話に反応せず、関心を示さない
- 他のことをしながら話を聞く
- 「自分も疲れているのに」と思う、うんざりする
ママに ねぎらいの言葉を掛ける
- ・「大丈夫?」「寝られた?」「今日はどうだった?」「ありがとう」など
やってはいけないこと
- 言葉を掛けない
- 何気ない一言で傷つける(「ミルクにしてもいいんじゃない?」など)※産後は些細なことでも落ち込みやすい
ママの作業を減らす
- ・できることは率先して手伝う

やってはいけないこと
- 頼まれても渋る、断る
- 自分の洋服を脱ぎっぱなしにするなどママの仕事を増やす
ママのストレス発散を支える
- ・外出などの気分転換をすすめる(ママだけの時間をつくる)
やってはいけないこと
- 休日に自分だけ外出する
ママが開けるとびら
「夫の子どもの世話ゲート」
パパと子どもの接点をつくる
- ・休日はなるべく子どもの世話をパパに任せる(パパが一人で面倒を見る時間をつくる)
- ・妊娠期から、出産準備クラスや検診に一緒に行く

やってはいけないこと
- パパの出番をシャットアウト
- 子どもが寝てから帰ってきてもらう
パパのやる気を促す
- ・優しい口調で頼み、「さすが!」「すごい!」など、パパをほめる
- ・パパが知らない子どもの様子を伝える
- ・「パパとお風呂に入りたいって」などのように、子どもの言葉を代弁する

やってはいけないこと
- 怒った口調で頼む
- 愚痴ばかり言う
- 手伝わないことを責める
パパのぎこちなさを大目に見る
- ・パパがやることに余計な手や口は出さない

やってはいけないこと
- ほめない
- ダメ出しをする
- 危ない手つきを指摘する
お互いが少しずつ歩み寄り、それぞれのゲートを開けることで、パパは子どもの世話が楽しくなり、パパが子どもの世話をしてくれるとママの負担感が減り、よい循環が生まれます。
<参考文献>
1)塩野悦子(2017):産後クライシスのからくりと予防方法,助産雑誌,17(10),748-755
2)塩野悦子、大久保功子、山田嘉明(2016):出産後の夫婦の相互作用を促す予期的支援プログラム開発と効果の検討、第36回日本看護科学学会学術集会抄録集
<参考サイト>
塩野悦子のケロケロ助産院
https://kerokero-shiono.com/