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- 知っておきたい産後の変化 第3弾 ~母乳のはなし その2~
2024.03.07 コープあいち
赤ちゃんとの新しい生活をスタートするにあたって、知っておきたい産後の変化シリーズ第3弾。産後のおっぱいのトラブルとケア方法についてご紹介します。
現在授乳中です。乳首が切れたり、おっぱいが固くなってとても痛いのですが…
赤ちゃんの抱き方やおっぱいの吸わせ方を見直してみましょう
おっぱいが痛いと本当につらいですよね。
おっぱいが痛くなるトラブルは、主に乳頭損傷や乳腺炎です。
乳腺炎には、⺟乳が乳腺の中にたまることで炎症が起こる「うっ滞性乳腺炎」とそれが悪化する「感染性乳腺炎」があります。
おっぱいには、乳腺が乳頭を中⼼に脇の下まで放射状に広がっています。その乳腺を折り曲げないように⺟乳を飲ませることが⼤事です。⾚ちゃんの抱き⽅や吸わせ⽅が不⼗分で乳腺が折れ曲がってしまうと、その部分だけ⺟乳が出なくなり、しこりや乳腺炎の原因になります。授乳の仕⽅を⾒直してみましょう。
主な
トラブル
乳頭損傷
- 主な症状
- 乳首が切れたり傷ができて、授乳時や触れたときに痛みを感じる
- 主な原因
- 赤ちゃんがうまくおっぱいを吸えていない
- 対処法
-
- ・赤ちゃんが飲みやすい授乳の姿勢になっているか気を付ける
- ・赤ちゃんのおっぱいのくわえ方を確認する。特に深くくわえているかチェック
- ・痛みが強いときは、母乳を搾って飲ませる
うっ滞(うったい)性乳腺炎
- 主な症状
- おっぱいの一部が硬く腫れる、赤くなる、押さえると痛いなど。発熱することもある
- 主な原因
- 母乳が乳腺の中にたまることによって生じる炎症。授乳の間隔が空きすぎたり、赤ちゃんが母乳をうまく飲み取れなかったなど
- 対処法
-
まずは赤ちゃんの授乳姿勢やうまく飲めているかを確認
- ・うまく飲めていない場合は、軽く搾乳する
- ・授乳後におっぱいを冷やす
- ・頻回授乳して、授乳間隔を空けすぎない
- ・乳房マッサージ(※下部参照)でおっぱいを優しく触って反射を起こし、母乳を出やすくする
注意強くもまない。痛いマッサージなどは悪化の原因になる
半日~1日たっても
改善されなければ病院へ
感染性乳腺炎
- 主な症状
- うっ滞性乳腺炎が悪化して細菌感染し、激しく痛む。発熱など体調も悪化
- 主な原因
- 乳腺に細菌が感染
- 対処法
- 病院で医師の診察を
自分でできるケア方法はありますか?
こちらを参考にしてください。
自分でできる乳房マッサージ
- 1 指先を使って、円を描くようにマッサージする。(しこりがなくなるようにやさしく)
- 2 乳房周囲から乳頭に向かって、指で優しくマッサージする。(しこりが流れるようなイメージで)その後、搾乳する
強くこすりすぎない
ようにしましょう
母乳は焦らず、ゆっくりペースをつかみましょう
母乳は赤ちゃんがおっぱいを吸うことでホルモンが分泌され、作られます。出産後すぐは、ほんの少しの母乳が分泌され、徐々に量が増えていきます。焦らず、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを吸わせてみましょう。痛みなどのトラブルがあるときは一人でがんばりすぎないで。病院などに相談したり、家族や周りにサポートを求めることも大切です。
授乳はママと赤ちゃんのコミュニケーションの一つ。
離乳食がすすんでくるとやめる時期を考えがちですが、無理にやめるのではなく、ママがやめようと思うタイミングで大丈夫です。子どもから自然に離れていくのを待ってもOK。
<参考文献>
1)クレア・リウェリン他著『人生で一番大切な最初の1000日の食事』,ダイヤモンド社,2019年
2)水野克己他著『母乳育児支援講座 改訂第2版』,南山堂,2020年
<参考サイト>
こども家庭庁,「授乳や離乳について」,令和元年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「『授乳・離乳の支援ガイド』の普及啓発に関する調査研究」
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/junyuu/