百人一首に登場(2) ヤマドリ
鎌倉時代に藤原定家が選んだといわれる「小倉百人一首」には、鳥が5種類も登場します。ヤマドリ・カササギ・ニワトリ・チドリ・ホトトギスです。
そのうち、今回は、ヤマドリ(キジ科)を紹介しましょう。
歌の内容は「(ヤマドリの尾羽根のように)長い長い夜を(恋しい人と一緒ではなく)一人寝するのだろうか?(寂しいなぁ)」という単純なものですが、枕詞・序詞・掛詞という言葉遊びの技法が見事に使われています。
もちろん、歌に登場するヤマドリは鳥そのものを詠んだものではなく、長い夜と一人寝を導くためのツールに過ぎません。
それでも、雄が非常に美しく身近な所にも多いキジではなく、比較的珍しいヤマドリが使われたことは、当時の歌人の知識の豊富さが分かりますね。