正月盆栽に植える
ヤブコウジ
正月盆栽は地域によって植える植物が異なります。「松」「竹」「梅」の3種類は、必須植物です。普通、「松」はクロマツ、「竹」は背の小さな笹の苗、「梅」は蕾をつけた寒梅を使います。加えて、彩り物として、「南天」「福寿草」「十両」など縁起のよい植物や、「鶴」や「亀」のミニチュアを添えることがあります。「南天」は難を転ずる意味、「福寿草」は福を得る意味、「十両」はお金を得られる意味を持っています。このうちフクジュソウは、今では数少ない植物になってしまったため、最近では園芸植物のフキタンポポ(外国産)を使います。本当は、センリョウ(千両)やマンリョウ(万両)も植えたいのですが、残念ながら大株にならないと赤い実がならないため、ヤブコウジ(十両)を使うようです。
ヤブコウジはサクラソウ科の常緑性樹木ですが、大きくなっても高さ20センチ程度にしかなりません。園芸的に高さ5センチくらいで実をつけた株を、正月盆栽に彩り物として植えます。その真っ赤に熟した実が、盆栽の隠れた見どころとなります。