赤トンボ そっくりさん
ウスバキトンボ
8月から10月にかけて、駐車場や道路上を、羽をあまり動かさずに、空中に浮いたように飛んでいるトンボを、数多く見かけます。体は薄オレンジ色をしていて、一見、赤トンボの仲間のように見えますが、これが、ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)です。
ウスバキトンボは「渡り」をするトンボで、沖縄など亜熱帯地域では一年中見られますが、その他の地域では、春から秋にかけて、繁殖を繰り返しながら日本列島を北上していきます。本来は亜熱帯性のため、寒さには弱く、氷が張るような温度になると、水中の幼虫は死滅してしまいます。ですから、愛知県では、12月には、成虫も幼虫も全滅します。
そして、翌年の7月末には、北上してきた成虫が、再び私たちの前に姿を見せてくれるようになります。ウスバキトンボにとっては、地球温暖化は、縄張りを広げるチャンスに違いありません。