悪しき実 シキミ
みなさんは、神前に供える木と仏前に供える木を知っていますか。その答えは、神様に供える木はサカキかヒサカキ、仏様に供える木がシキミです。
このシキミの名前の由来は、「悪しき実(あしきみ)」の、悪がとんだものだと言われています。悪い実と呼ばれた理由は、この木の実が、人間が死ぬほどの猛毒だからです。その毒性を利用して、土葬が一般的だった時代に、動物たちにお墓を荒らされないようにお墓の周りにシキミを植えたのが、仏様に供えるようになった理由だという説があります。ちょっと、それらしい説ですね。
でも、中国料理などでよく使われる「八角(はっかく)」は、ごく近縁種トウシキミの実です。間違えないように注意してください。豊田市の足助地区では、おばあさんが、トウシキミと間違えてシキミをお好み焼きに入れてしまい、孫がそれを食べて入院した、という事例もありました。
花はきれいで香りもよく、葉にもよい香りがあり、「抹香(まっこう)」として利用される、大切な木でもあります。