この虫な~んだ
セミヤドリガ(幼虫)
お盆のころ、少し山手を散歩していて、夕方や曇天になると、カナカナ…と鳴くセミの声が聞こえます。これは、ヒグラシの鳴き声です。緑色がかった体と透明な羽が特徴です。
でも、今回の主役はセミではなく、セミのお腹に着いている白いかたまりです。実は、この白い毛に包まれたものは、セミヤドリガという小さなガの幼虫なのです。幼虫はセミの腹に寄生して、その体液を吸って成長します。十分大きくなると、セミから落ちて、草の葉裏などで蛹(さなぎ)になります。成虫は羽を広げても2㎝に満たない黒っぽい色をしたガで、めったに、その姿を見ることはありません。
日本には4500種類以上のガの生息が知られています。そのうち、本種とハゴロモヤドリガだけが、他の昆虫に寄生して育ちます。まれに、ヒグラシやアブラゼミにも寄生しますので、ぜひ探してみてください。