春の樹の花 サクラ いろいろ①
日本の春を彩る「木の花」の代表といえば、やはり「桜」でしょう。
一番身近なのはソメイヨシノですが、これは人為的に作られた園芸植物です。ソメイヨシノは野生種のエドヒガンとオオシマザクラの雑種で、前者の「花の色は薄桃色で葉が開くより前に咲く」、後者の「木の成長が早くて花が大きい」という長所だけを受け継いでいるのが特徴です。江戸時代末期に染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋が名付けて、世間に広めたといわれています。
一方、愛知県内の山野に自生する野生の桜は、エドヒガン・ヤマザクラ・カスミザクラ・ミヤマチョウジザクラ・キンキマメザクラ・ミヤマザクラの6種類です。このうち前3種が広く分布し、その区別は次のとおりです。
①エドヒガンは渓谷沿いに分布し、葉が生え広がる前に最初に花が咲く
②ヤマザクラは山野に広く分布し、若葉が赤褐色に広がり始めると同時に2番目に咲く
③カスミザクラも山野に広く分布し、葉が緑色になってから最後に咲く
山で咲く桜はすべて「山桜」ですが、一度じっくり観察してみるといろいろ発見がありますよ!