秋の七草(2) キキョウ
前回ご紹介したように、「秋の七草」は現在の8月に咲く草花のため、秋に咲くリンドウ・ノコンギク・ワレモコウなどは入っていません。一方、ススキやクズのように、あまり目立たない花が入っています。
和歌の最後に登場する「朝貌(あさがお)」は、現在のアサガオではなく、キキョウの古名だという説が有力です。アサガオは奈良時代に中国から薬用植物として移入されたと思われますが、もちろん野山には咲きません。歌の朝貌は、今のノアサガオ・ヒルガオ・フヨウ・キキョウなどいろいろな植物が当てはまるといわれてきましたが、今のところ、キキョウ説が最も有力なのです。
キキョウはキキョウ科に属する多年草で、葉が何段も対生する茎の先端に、数個の花が咲きます。直径5cmを超える明るい薄紫色の花は5弁の合弁花で、数日で咲き終わります。
また、キキョウの花は家紋としても使われ、土岐氏と、一族の明智光秀の家紋としても有名です。