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ツツジと蝶の蜜な関係
ツツジの花を
じっくり観察してみよう
ツツジの花びらは、根元でくっついています。(合弁花 ごうべんか)
一方、サクラの花びらは、1枚ずつバラバラになります。(離弁花 りべんか)
じっくり観察してみましょう。
春になると、里山だけでなく、身近な公園でも、色とりどりのツツジの花が咲きます。ツツジの花には、黄色や黒色の羽根をした大きな蝶が、蜜を吸いにやってきます。これらはアゲハチョウの仲間で、黄色はアゲハチョウかキアゲハ、黒色はクロアゲハかジャコウアゲハが一般的です。ほとんどは、羽根をはばたかせながら、長いストローのような嘴(くちばし)を伸ばして、花の根元に出る甘い蜜を吸っています。
では、ツツジの花の蜜は、どんな味がするのでしょう?私の体験では、山野に自生するコバノミツバツツジやヤマツツジ、庭に植えるヒラドツツジやオオムラサキの花をスポッと抜き取って、その花の根元をチュッと吸うと、少し甘い味がしました。花は、蝶に蜜をあげる代わりに、花粉を別の花に運んでもらうのです。そして、発芽能力のある立派な種子ができます。
しかし、1種類だけ葉や花に毒を持ったツツジがありますので、注意しましょう。それは、レンゲツツジという、高原に多い種類です。5~6月、一面に濃いオレンジ色のレンゲツツジが咲くところがあります。植物体に毒を持っているため、牛や馬がこの植物を食べないことから、一面に花が咲くようになるのです。
また、瀬戸市の海上(かいしょ)の森などでは、4月下旬~5月上旬にかけて、ツツジの花に、「春の女神」と愛称されるギフチョウ(岐阜蝶)が、午前中、稀に蜜を吸いに訪れます。ぜひ捜してみてください。
※新潟県では、庭木のレンゲツツジを食べたことによる食中毒が発生しています。見分けが難しい場合があるので、安易に食べる、蜜を吸うなどをしないように注意しましょう。
きたおかあきひこ
北岡明彦さん
昭和29年2月2日に名古屋市熱田区で生まれたときから昆虫少年。高校時代から植物青年に変身したのち成長が止まり、今も自然大好き人間のまま。森林の素晴らしさをPRする活動にまい進。瀬戸市在住。