節分の花 セツブンソウ
日本には、季節を表現する言葉が数多くあります。そのうち、節分(せつぶん)は、もともと季節の変わり目を表す立春・立夏・立秋・立冬の前日の名称でしたが、今では立春の前日として使われています。こうした、季節感あふれる言葉は、ぜひ使い続けたいものですね。
その節分を植物の名前に使ったのが、セツブンソウ(節分草)です。山間地の林床では一番最初に咲く花で、北設楽郡東栄町では、本当に立春(2月4日ごろ)の前日に花が見られます。満開のときでも、高さは5cmほどしかなく、よく探さないと見過ごすほど小さい花ですが、じっくり見ると、とてもかわいらしいものです。花びらのように見える5枚は、実は萼(がく)で、本当の花びらは、おしべのように見える黄色い粒々に変化しています。花の中央にある青紫色の粒々が本当のおしべで、白いのは花粉です。
花の構造って本当に不思議ですので一度、じっくり観察してみてください。