身近な野鳥 メジロ
晩秋に色づいた実をつけた柿の木、早春に花をいっぱい咲かせた梅の木の下を通るとき、チューイ、チューイという澄んだ鳴き声をよく聞きます。これが、メジロの鳴き声(地鳴き)です。小さな体のわりに、大きな声で鳴きます。
メジロは、羽根を広げても10cmほどしかない、とってもかわいい黄緑色をした留鳥(りゅうちょう)です。冬になると、北方や山間地で繁殖した個体群が、暖かい平地林に移動してくるため、個体数がずっと増加します。
漢字で書くと「目白」ですが、実は白いのは目ではなく、目の周りが白い毛で囲まれているのです。メジロは色も姿も鳴き声も動きも、すべて大変かわいらしいことから、江戸時代には多数飼育され、競技会も開催されていました。もちろん、今は飼うことは法律で禁止されています。「目白押し」という慣用句もあります。
なお、春に食べる「うぐいす餅」の色はどう見ても、ウグイスではなくメジロの色で、本当は「めじろ餅」だと、食べるたびに思います。
※留鳥・・・季節による移動をせず、一年中同じ地域に生息する鳥