

帰化獣だけどかわいい
ヌートリア

帰化生物※1たちは、植物も昆虫も野鳥もみんな悪者として見られてしまいます。
ヌートリアは毛皮を得るために人為的に繁殖させられた南アフリカ原産のネズミに近い哺乳類。1940年代後半になって毛皮が売れなくなったため、各地で放獣され、増えたといわれています。
ヌートリアは水辺で生活し、水辺や土手の草を食べます。泳ぐのがとても上手で、半身を水上に上げ、水中で足をかいて進みます。近年になって個体数が増え、愛知県内でも各地で見ることができます。
中でも、瀬戸市定光寺の正伝池(しょうでんいけ)には、2家族が生息し、毎日姿を見ることができます。池の土手の草地で草を食べる姿や、池を泳いで渡って対岸の崖にある巣穴に入っていく姿が見られます。
警戒心が弱いので、幼獣にゆっくり近づき、手で触れたときのちょっと堅めの毛の手触りは、今でも覚えています。※2
※1.外国から人の手で入ってきて、その土地に定着した生物のこと。
※2.現在は特定外来生物に指定され、駆除対策がとられています。見かけても十分距離をとって観察しましょう。