ムラサキシキブは紫式部
私たちがくらす近くの野山に、紫式部三姉妹と呼んでいる3種類の樹木があります。長女はムラサキシキブ、次女はヤブムラサキ、三女はコムラサキという、落葉低木で、いずれも晩秋に美しい紫色の丸い実を密につけるのが特徴です。
このうち、ムラサキシキブは標高1000m未満の落葉広葉樹林で多く見られます。樹高は3m未満で、対生する葉の根元に、7月ごろ、薄紫色の小さな花を密に咲かせます。花には、ほのかな甘い香があります。
そして、10月には、美しい紫色で直径3mmほどの小さな実をつけます。特に葉が散った後には、美しい実が目立ちます。この美しい紫色を、平安時代の歌人で美人だったとされる「紫式部」に例えたといわれています。
家の庭にムラサキシキブがあるという話をよく聞きますが、実は、ほとんどがコムラサキ(三女)の間違いです。コムラサキは枝先が垂れ下がることが多く、実の柄が葉より1mmほど上に離れてつくのが特徴です。
みなさんも、一度じっくり調べてみてくださいね。