
2025.05.01 ⼭本 理江 さん
かわいらしい花を眺めたり、実を梅干しや梅酒にしたり、梅はいろいろな形で私たちを楽しませてくれます。また、体によいともいわれています。疲れた体を元気にしてくれる梅について、今回、管理栄養士の


梅は主に梅干しや梅酒などの材料にされることが多く、日本では古くから親しまれてきた果物です。私たちの食卓に梅が上がるようになったのは、江戸時代になってから。梅干しのしそ漬けが普及し始め、梅を砂糖漬けにした甘露梅など、さまざまな漬け方がされるようになりました。現在では梅干し・梅酒・梅ジュース・梅シロップ・梅ジャム・梅肉エキスなど、いろいろなものに加工されています。
梅は熟しても甘くならず、強い酸味があるのが特徴です。未熟な青梅の種子にはアミグダリンという物質が含まれており、これが酵素によって分解されると有害な青酸を生じます。中毒症状を引き起こすため、生のまま食べることはできません。


疲労回復
梅に含まれる有機酸のクエン酸やリンゴ酸は、体内で糖質の代謝を促進して効率的にエネルギーに変換する役目を担っています。エネルギー代謝が向上すると、疲労回復効果が期待できます。

食欲増進
梅の酸味成分は唾液の分泌を促し、胃液をはじめとする消化酵素の働きを活発にし、食欲を増進させます。夏の暑さによる食欲不振や夏バテを解消するのに、梅を使った爽やかな酸味のお料理がピッタリです。

殺菌
梅に含まれるクエン酸は殺菌・除菌効果に優れています。昔から梅干しをお弁当やおにぎりに入れるのは、クエン酸により微生物が繫殖するのを抑える効果を狙ったものです。

血流改善
梅を加熱するとムメフラールという成分ができます。このムメフラールによって血流が改善されると、老廃物が排出されやすくなるため、老化防止も期待できます。
- 収穫後も追熟がすすみ、傷みやすくなる梅。新鮮なうちに、なるべく早く加工してから保存しましょう。青梅の場合は、できるだけ早く加工することをおすすめします。
- すぐに加工できない場合は冷凍保存するとよいでしょう。青梅は洗って水に浸けてあく抜きをし、きれいに拭いてチャック付き保存袋などに入れて冷凍します。
梅シロップや梅酒を作るときには、凍ったまま使用することができます。
おすすめの飲み方

炭酸水・水・お湯などで割って飲むのがもちろんおいしいです。ここにすりおろししょうがを少し入れると、甘酸っぱさの中にしょうがのピリッとした辛みと香りが広がり、おいしくいただけます。
楽しんでみよう
梅雨が始まる前のこの季節、青梅を見掛けるようになります。この梅を使って、梅干しや梅酒、梅シロップなどを作ることを「梅仕事」と言います。
「梅仕事」ができるのは、1年の中でもこの時期だけ。季節を感じられる日本の昔ながらの行事です。でも、「なんだか難しそう」と思っていませんか?今回は、お子さんも飲める、梅シロップをご紹介します。

準備する材料も少なく、ポイントを押さえれば、思ったより簡単!お子さんも一緒に作業できる梅仕事、ぜひ今年はチャレンジしてみてください♪


- 青梅1kg
- 氷砂糖1kg

保存容器

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1
青梅をきれいに洗い、竹串などを使ってヘタを取る。
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2
清潔なふきんできれいに拭き、汚れと水分をしっかり取る。
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3
水洗いし、アルコール消毒した保存容器に梅と氷砂糖を交互に入れてフタをする。
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4
1日1回瓶を回して材料を混ぜる。3~4 週間後、氷砂糖が溶け切ったらでき上がり。梅を取り除いて保管する。
一度作れば、1年中梅ジュースを楽しむことができますよ。これから暑くなる季節。さっぱりとした梅ジュースで、暑い夏を乗り切りましょう!
次回は、梅シロップを使ったレシピをご紹介します。お楽しみに♪
梅には以下の種類があり、5月下旬から6月下旬にかけて店頭に並びます。