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- 奇妙な植物 No.1 ギンリョウソウを見たかい?

奇妙な植物 No.1
ギンリョウソウを
見たかい?
5月中旬になると、里山の雑木林の林床の落葉の中から、半透明の白色で、奇妙な姿をした植物が、まれに姿を見せてくれます。それが“ギンリョウソウ”です。
毒植物でもありませんし、触ってもかぶれたり炎症を起こすこともありませんので、ぜひ、じっくり観察してみてください。
見たときは、誰もが「こりゃ何だ?」とびっくりします。植物なのに、緑色の葉が1枚もありません。腐生植物といって、地中にある球状の根から、土の中にある腐葉土の養分を吸収します。だから、葉緑素がまったく必要ないのです。こんな植物はほとんどありません。
花の姿から名付けられ、漢字では「銀竜草」と書きます。本当にピッタリな名前ですね。また、英語名でもとってもおもしろく、「ゴースト・プラント(幽霊草)」とか「インデアン・ハイプ(インデアンのハイプ)」などと呼ばれています。ちなみに、日本でも「ユウレイタケ」と呼ばれることがあります。
花を見つけたら、ぜひ、じっくり観察してください。まず、正面から花をのぞいてください。鮮やかな青色をした雌しべの柱頭※1と、その周りをぐるっと囲むクリーム色の雄しべの葯※2が見えて、びっくりします。また、花茎にある半透明のヒダヒダが葉です。本当におもしろい姿をしています。
※1雌しべの先端部。花粉がつくところ
※2雄しべの先端部。中に花粉の入った袋

きたおかあきひこ
北岡明彦さん
昭和29年2月2日に名古屋市熱田区で生まれたときから昆虫少年。高校時代から植物青年に変身したのち成長が止まり、今も自然大好き人間のまま。森林の素晴らしさをPRする活動にまい進。瀬戸市在住。