

きれいな昆虫③ オオセンチコガネ


みなさん、『ファーブル昆虫記』って読んだことがありますか。幼いころから昆虫少年だった私は、小学校高学年のころ、夢中になって読みました。中でも聖タマオシコガネと呼ばれるコガネムシの話は、一番のお気に入りでした。
その日本版ともいえる昆虫が、今回紹介するオオセンチコガネです。名前のセンチは「cm」ではなく「雪隠」(便所のこと)がなまったものです。簡単に言えば、大便所黄金虫という意味です。成虫も幼虫も動物の糞や死体を食べることから名付けられたものです。古代エジプトの装飾品にもなっているスカラベと同じ仲間でもあります。
オオセンチコガネは、夏から秋にかけて山野の地表近くをブーンという低い羽音を立てながら飛んでいるのを見掛けます。その翅は鈍い赤銅色に輝き、とてもきれいです。愛知県の個体は赤銅色ですが、三重県や岐阜県では青色に輝きます。緑色に輝く地域もあり、地域変異も魅力的です。