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- めざせ“噛める”子ども!第4弾 Dr.Eriのお悩み解決!クリニック その3 歯ぎしり・噛む力編

2024.10.17 師田 依里 さん

「こんなときはどうしたらいいの?うちの子は大丈夫?」
編集部に寄せられた組合員親子の悩みを小児歯科医のDr.Eriこと
今回は歯ぎしり・噛む力についてうかがいました。
寝ているときに歯ぎしりをしているけど大丈夫?
どんな影響があるの?
乳歯が生えそろう3歳までの間は顎関節がまだでき上がっていないので、どこでも噛むことができる状態。歯ぎしりの発生率も高いですが、そんなに心配することはありません。3歳以降は、大人と同じようにストレスや噛み合わせ、睡眠の質などの原因が考えられるので注意が必要です。
Dr.Eri3歳以降の歯ぎしりの
原因
嚙み合わせ
受け口や下の前歯が見えないくらい深く噛んでいるような嚙み合わせだと、筋肉の緊張が起きて歯ぎしりの原因に。
呼吸・睡眠の質
口呼吸になっているかも。口呼吸では寝ている間に舌が奥に下がって軌道を圧迫するため、睡眠の質が低下します。
血糖値
寝る前に食べて血糖値が上がると、寝ている間に血糖値を下げようとするので、その急激な変動が睡眠の質を悪くします。
筋肉の使い方 (全身を使った運動を含む)
体を使って遊んでいる?しっかり歯を使っている?
ストレス
精神的なストレスを感じていることも。
寝る環境も大切です。
歯ぎしりの悪影響
歯ぎしりで歯がすり減ると噛み合わせが深くなる一因となります。嚙み合わせが深くなると、噛む位置が後方になり、顎全体が後方に下がることに。本来、舌は寝ているときは上にあるべきですが、顎全体が下がることで舌は下がり、軌道が狭くなります。それが呼吸や睡眠の質にも影響を及ぼすことが考えられます。
柔らかいものしか食べてくれません。
金原リエさん
央真くん(2歳9ヵ月)
歯が生えそろっていなくて食べられないということもあります。乳歯が生えそろうまでは様子を見ましょう。
生えそろっている場合は、子どもの様子を注意深く見てみましょう。子どもは食べやすいものを食べているだけなのに、親が食べられないと思い込んでいる場合があります。また、噛む力や飲み込む力が弱いということも考えられます。かじり取りの練習をする、舌を鍛えることが大事です。
舌癖 はさまざまなトラブルに
何もしていないとき、舌は上の前歯の少し後ろあたりにあるのが正解。違った場所に舌を置いている場合は、舌癖の可能性があります。舌癖は食事のときなどに無意識に舌で歯を押したり、歯と歯の間に舌を押し付けたりする癖のこと。前歯に舌を押し付けて飲み込むと出っ歯になります。また、口をポカンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたりすると、口の中が乾燥して、むし歯や歯周病などのトラブルになったりします。舌の位置が下がることでかみ合わせや歯並びにも影響が出ます。口呼吸が習慣化すると舌癖になりやすいので注意が必要です。
ストローを使って息を吸ったり吐いたりするとき、口腔周囲筋を使います。口腔周囲筋を鍛えると、口元が整い、ちゃんと鼻呼吸ができるようになります。「口呼吸」は万病のもと!むし歯や歯肉炎になりやすいだけでなく、歯並びにも悪影響を及ぼします。親子で遊びながらやってみましょう。